パスポートについて 豆知識

現存する日本最古のパスポート

日本で最初に発行されたパスポートは隅田川浪五郎に対するものであったが、原本はすでに失われて写しが残されているのみである。現存する日本最古のパスポートは、亀吉という人物のものである。亀吉は浪五郎とは別の一座の芸人として、英国に渡り、その後ヨーロッパ方面で活躍した。足技の曲芸に優れていたということだ。もっとも英国に渡った最初の頃は、仲間とともに檻に入れられ、自身が珍しい東洋人として見世物にされてしまった時期もあったそうだ。後には万博の開かれていたパリで活躍したようだから、なんとか危機を脱出した模様。

この時期多くの芸人が海を渡り、磨きをかけた曲芸を披露したが、海外の生活に馴染むことができず苦労した者が多かったようだ。亀吉もその一人で、最後には病に侵され帰国すらできずに、ヨーロッパで命を失った。不思議なことにパスポート原本だけは無事に帰国をとげ、外務省外交史料館に残されている。共に海を渡った兄貴分格の小三吉は海外生活に馴染み一定の成功をおさめた後、無事帰国しているから、そのときに形見として持ち帰った可能性もある。

亀吉のパスポートに記されている人相書には、「身丈は高き方、眼は小さき方、顔は丸く痘痕があり、両腕に草花の彫り物」と書かれている。主人を失ったパスポートは亀吉の無念を伝えるべく必死の帰途についたのだろう。

下記のホームページに浪五郎の詳しい情報が記載されているので、ご関心のある方は、ご覧になってみてください。

月下の叫び
http://homepage3.nifty.com/gekka-take/index.html

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