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格差社会が生み出すもの - 貧困と性風俗 –

脱法ハウスは格差社会が生み出した代表的な現象であるが、ここにもう一つ格差社会の象徴となる現象がある。それは人身取引である。日本のニュースでは、外国の人身取引を遠い国の出来事として取り扱うことが多いが、日本でも人身取引が当たり前のようになりつつある。

それは、貧困が原因で性風俗産業へ追いやられる女性たちのことである。

援助交際などで、小遣い稼ぎのために自ら体を売る少女たちなどの現象に紛れて、貧困によって性風俗へと追いやられる女性たちのことがあまり取り上げられることがないが、こうした女性の数は確実に増えていると思われる。

先日、ガールズバー店長が客を殴り殺した事件がニュースになったが、このニュースの中では、客を殴り殺した店長の悪が掻き立てられるばかりで、ガールズバーというものそのものに存在するはずの悪については全く語られていなかった。記事の中では店長の普段の様子として、「従業員らに対して厳しく当たることも多く、女性にも「もっと客取ってこい!」と怒鳴ることもたびたび。別の店で客引きをしていた男性(35)が『まるで家畜に対するように高圧的に振る舞っていた』と表現するほどだった」と書いていたことから、ここで働いていた多くの女性が、店から離れたくても離れられない状態であったことは容易に想像がつく。

そういったところへ遊びにいくとすれば、危険な事件に巻き込まれる率は高くなるのは間違いない。自ら望んで働いているスタッフたちが大半を占める風俗のお店と追い詰められた状態で働いているスタッフが大半を占めるお店とどちらが安全かはいうまでもないだろう。

この貧困で広がる人身取引には、脱法ハウスとはまた違った不幸がある。格差によって生じた貧困が女性たちを性風俗に追いやる一方で、格差によって生じた貧困が原因で結婚・恋愛できない男性がこの性風俗の女性を必要とするということである。不幸の連鎖、不幸の循環とも言える。

格差社会が、社会の質にもたらす影響は我々が想像するよりもはるかに大きい。ある日、気づくと、日本はすでに日本でなくなっているのかもしれない。

参考リンク
「金や金!」ガールズバー店長が客を殴り殺した料金トラブルの“金額”

横行する人身取引「日本は人身取引大国」、組織的手口で少女売買/神奈川

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