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熱中症とエアコン

 ここしばらく、熱中症による死亡とエアコンの不使用を結び付け、エアコンを積極的に使いましょうと訴えかける内容のニュースが増えている。もともと、原発問題で生じた節電の必要から、政府が強力に訴えかけたエアコン利用の自制だが、激暑の中、死亡する人なども出てきた。電力に余裕が出てきたこともあって、今度はエアコン利用の積極化へ世論が動いている形だ。

 しかし、このような激暑をもたらす大きな原因の一つが地球の温暖化にあることを忘れてはならない。原発の有無にかかわらず、節電は人類にとって必須の課題なのである。もちろん、死亡する人がでるような形でエアコンの利用を抑制することはない(貧しくてエアコンを使うお金がない人のことを忘れていないという前提で)。しかし、電力に余裕が出てきたからといって、「そら安心して電気を使え!」というのは大間違いである。

 私たちは、エアコンがなければ、生活が成り立たなくなった根本を見直す必要があると思う。現代の家屋の多くは自然の風が入らない仕組みになってしまっている。また、多くの人間がエアコンがなければ不快だと感じ、働く人の汗のニオイすらマナーに反するものとして受け止められることも少なくない。このようなエアコンの存在を前提とした、歪んだ社会のありようを少しずつ正常に戻していかなければ、地球環境は悪化していくばかりであることを皆が意識しなければならないだろう。

 科学的なことを言わなくても、多くの家屋、建物が内部の熱気を全て外に出せば、熱い空気が外側にどんどんたまっていくことはイメージできる。熱を出せば出すほど、それに合わせて、地球が冷却能力をアップしてくれるなんてことはありえないだろう。その熱気は徐々に地球の生態系を破壊し、地球を人間が住めない星に変えてしまうに違いない。

 そして、そうした地球環境の悪化は、エアコンを使うことができる先進国の人たちよりも、干ばつと飢饉で苦しむ発展途上国の人たちを襲う。また、現代で生きる私たちよりも、この問題に責任のない私たちの子孫に過酷な影響を与える。私たちは、こうした問題に無責任な社会のあり様、歪んだカルチャーを正常に戻すよう努力を始めるべきだと思う。

参考リンク

熱中症で2人死亡=自宅でエアコン使わず―埼玉・大分

熱中症、都内で3人死亡判明 高齢・エアコン使わず、窓閉め切りも

エアコン不使用は危険…熱中症死者、都内11人

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